●
オールコックの江戸―初代英国公使が見た幕末日本 (中公新書) のレビュー・感想
【おすすめ度】:
【タイトル】:
外交官に代わる回顧録
【コメント】:
英国の初代駐日総領事オールコックの駐在時期1859年から62年までの、彼の生活、幕府との折衝、本国とのやり取り、当時の日本国内情勢への彼の見方などを、回顧録的に書いた本である。オールコック自身の著「大君の都」が岩波文庫全三巻で存在するが、大部なので、この本を読んでも大体のことは分かりそうである。
この本の特色は、彼が本国の外務大臣、次官に宛てた公信記録を多く読み込んでいることである。これを...
●
オールコックの江戸―初代英国公使が見た幕末日本 (中公新書) のレビュー・感想
【おすすめ度】:
【タイトル】:
愛情と冷静な史料分析をもとにした「外交の文化史」の好著
【コメント】:
初代在日英国公使オールコックの等身大の人物像を通して見た「外交の文化史」である。陳腐な例えで恐縮だが、著者は、まるで歴史小説を読むように読者を夢中にさせる筆力を持っている。自らも国際交流を生業とする著者は、オールコックへの過度とも言える感情移入と、冷静な史料分析との間を微妙なバランスをとりつつ、幕末の英国外交官の活動と日本社会を再現している。この微妙なバランスが、緊張感を呼び、読者もまたオー...